子どものアトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎とは赤ちゃんの頃から発症し、長い間続く、または繰り返す、かゆみのある皮膚の炎症です。赤ちゃんの頃は10人に1人が発症する珍しくない病気です。また、医療機関でさえも、症状に気付くのが困難な病気といわれています。最近では、この病気がきっかけとなって、食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎などに続いていくと考えられています。そのため、早期の発見と適切な治療が、今だけではなく、将来にわたっても大切となります。お子さんの皮膚にかゆみのある荒れが続く、または繰り返す時は、早めに受診してください。

アトピー性皮膚炎の原因

遺伝的な要因と環境要因が絡み合って起こります。環境要因としては、

が指摘されています。

アトピー性皮膚炎の悪化サイクル

「皮膚のバリア機能の低下」⇨「ダニや食物などの刺激やアレルゲンが侵入」⇨「炎症・かゆみ」⇨「掻き壊し」⇨「皮膚のバリア機能の低下」のサイクルでどんどん悪化してしまう悪循環におちいります。そこで、適切な治療によってこの悪循環のサイクルを断ち切ることが大切です。

アトピー性皮膚炎の治療方法

治療で大事な3つの柱は

  • スキンケア(皮膚の清潔と保湿を保つため、入浴、洗浄などの工夫)
  • 抗炎症薬を中心とした薬物療法(適切な塗り薬、飲み薬など、塗り方の工夫)
  • 悪化因子の除去対策(原因を見つけ出し、できるだけ取り除く)

です。お子さんの年齢や重症度に合わせて、最適な治療を提案いたします。

治療の目的

診察室治療の目的としては、2つあり、短期的には皮膚のかゆみや痛みなどの苦痛を減らし、集中力や睡眠など、日常生活の質の改善を目指します。 また、長期的には、「アレルギーマーチ」という考えがあり、アトピー性皮膚炎がきっかけとなって、その後、食物アレルギー、喘息、アレルギー性鼻炎などが連鎖的に引き起こされてくるといわれています。まるで「行進曲(マーチ)」のように病気がつづくことから、このように呼ばれています。早期の適切な治療により、将来にわたり様々な病気を予防することができる可能性があります。
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